熱いステージから

インタビュー記事「熱いステージから」について

2001年春、バンタンJカレッジで卒業制作したフリーペーパー「ここから」に、Sun Shipのインタビュー記事が載っています。
Sun Shipは普段、何を思い、ライブをやっているのか、ほとんど周囲に語ることのない彼らですので、今回インタビュー記事を書いてくださったIshiiさんに特別にお願いして、当サイトに掲載させていただくことになりました。

当サイトに掲載するにあたって、Ishiiさんが一言寄せてくださいました。

専門学校の仲間と、なんかいいことというテーマのフリーペーパーを作成するにあたり、なんかいいな。と思える人をインタビューすることが決定した瞬間、私はSun Shipでいこう!と閃きました。
Sun Shipのライブに行く度に、その音楽だけでなく、三人の表情にも私はいつも見とれていたからです。

なにか、自分達の生き方に対する満足感が伝わってきて、ああ、この人たちは本当に好きなことをやっているのだな、と感じていました。
そんな生き方、誰でもできるわけではない。
でも誰もが憧れる生き方ですよね。
そんな三人の素顔に迫りたい、と思ったのです。

実際インタビューさせて頂いて、Sun Shipの音楽がなぜこれほどまで私達の心に響くのか、理解できた気がします。
そして、とーっても優しくて、笑顔の素敵な皆さんで、ますます

ファンになりました。

「熱いステージから」Text by Ishii

Sun Shipの素顔

Sun Shipとは

愛想のない曲紹介の後、おもむろに演奏が始まる。その途端、それまでグラスを片手に賑やかに話をしていた人々の動きが止まり、Sun Shipの世界へと惹き込まれていく。

ジャズというと小洒落た大人の音楽といったイメージで、若者には少し近寄り難い感があるかもしれない。しかし、SunShipに出会えばそんな先入観は見事に打ち砕かれるだろう。彼らの音楽には全く気どりがない。骨太で、力強く真っ直ぐな音楽だ。演奏する曲のほとんどはオリジナルであり、1曲の長さは20分にも及ぶ。そのエネルギッシュな演奏を初めて聴いた時、私はただ圧倒されるばかりだった。こんな「凄い」音楽を作るSun Shipとは、一体何者なのか。

自分の好きな音楽が思い切り出来る場所、Sun Ship

Sun Shipは、村上俊二さん(P)、川崎聡さん(B)、並木 宗さん(AS,SS)の3名から成るジャズ・トリオだ。

3人の出会いは約10年前。村上さんが知人のバンドにいた川崎さんと出会い、練習を共にするようになる。その3年後、偶然に3人はある日一緒に演奏することに。それぞれがお互いの演奏を初めて聴いた時、「同じ感覚を持った人だ。」と感じたという。まさに運命の出会いだったと言えるだろう。

「100%自分の力を出せるメンバーに巡り会えた事は、本当にラッキーだった。」(村上) こうして1997年、Sun Shipが誕生する。

生きていてよかったという精神的な歓び

大学卒業後、一度は教職に就くが半年でジャズへの道を決意した並木さん。高校時代に楽器を初めて手にした時から音楽で食べて行こうと思っていたという川崎さん。高校卒業後すぐにピアノで働き始めた村上さん。3人が口を揃えて言うことは、「音楽をやっていない自分の人生は想像もつかない。」ことだ。音楽の道に進むことに迷いは全くなく、「ただ好きなことをして、むしろ流れのままに生きてきた。」(村上)という。

「音楽をやることで、自分がどう生きていくべきか考えることができる。」(川崎) 彼らにとって、音楽とは人生そのものなのだ。

聴く人に感動を与える音楽を目指したい

彼らはライブでは余計なパフォーマンスは一切しない。「自分の最高の音楽を聴かせる事、それがお客さんに対する最高のパフォーマンス。」(川崎) では、彼らの求める最高の音楽とは?「自分が感動できる音楽。その感動を直接心で感じてもらえれば幸せ。」(並木)

彼らの音楽に理屈などいらない。Sun Shipの魅力は何といっても3人の熱いハートだろう。是非たくさんの人に、彼らが伝える感動をライブで体験してほしい。絶対に何か感じるものがあるはずだ。

「好きな音楽をずっとやっている。俺達って本当に幸せだよな。」そう話す3人の笑顔を見て、うらやましい人生だと思った。